「キャロル」について

寒の戻りだそうで、冷え込んできた。案の定風邪をひき、日頃からの健康管理を怠っていたと反省。
さて昨日は愛する後輩と映画を観に行った。トッド・ヘインズの「キャロル」。
映画の感想を書くのはすこし苦手なので、今回は印象的なシーンについて書くことにする。

まず車のシーン。この映画は車での移動の場面が多く、車内から外を見つめる描写は何度かあるのだが、特に雨で窓ガラスに水滴がついてる状態の中、愛する彼女がいないか探しているテレーズは印象的だった。
まちに好きな人がいるかもしれない。隅々まで目をやる、似た人がいると追ってしまう、彼女のことで頭がいっぱいで、気が気でない…。
キャロルと旅に行く前、テレーズは恋人から夢でも見ているのかと言われたあとに、これほど目が覚めたことはない!と返すのだが、このセリフには恋したことのある乙女にはおわかりだろう、とても共感した。
恋をしているときというのは、つねに感情の波があって目まぐるしく、四六時中相手のことを考えてしまうのだからもう大変落ち着かない。夢を見ている場合ではない。わたしは恋をするのに必死で忙しいのだ!
…テレーズ、そのとーりだよ。

閑話休題。
これもまたテレーズなのだが、旅に出たあと二人がしばらく会えない状況になったとき、気持ちを抑えられずに一度だけキャロルに電話をしたシーン。
このときキャロルは返答しないまま切ってしまうのだが、テレーズは絞り出すような声で「I miss you」と言うのだ。
それまで恋人からの結婚の申し出も、ランチのメニューも決めきれなかったテレーズが、本当の気持ちを叫んだ瞬間だった。
…彼女の気持ち、痛いほどわかる。

さてこの映画は女性同士の恋愛を描いたものだけど、男女の恋愛と何も変わらなくて、好きになった人のことが好きというのは自然なことなんだと。たとえ相手が同性であっても、恋愛においては関係ないんだと、改めて感じた。
でも同性だからできることでいいなぁと思ったシーン、キャロルがテレーズにメイクをしてあげているところ。最近友達に同じようにメイクをしてもらったからか、そこも印象に残った。メイクをしてもらうというのも、心を許してないとできないし、するのもされるのも愛情表現なのかなぁと思ったりもした。
メイクをしてあげた部屋、二人ともソファーに座らないでいたけど、それがまた良い。

脱線しすぎてほとんど感想を書いてしまった。気づけばかなりの長文である。まだまだ書ききれないほどの好きなシーンと感想があるのだけれど、それはさておき、気になる方はぜひ劇場へ。絶賛上映中です。

つづく。


新年度、無職

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