変わったもの、つくったもの

前回の投稿から綺麗に2ヶ月が経ちました。あんなに暑かったはずの夏と台風をやり過ごし、いまやすっかり秋の風が吹いています。
さて、この2ヶ月間は怒涛の日々の連続で、この期間にとにかくいろいろつくってました。

まず地域の夏祭りにて。
実行委員のメンバーが着るポロシャツをデザインしました。
原案はわたしがデザイン、細かい調整は友人に、そして色は婦人会のおばちゃま方に決めてもらいました(さわやかさ100%ライムグリーン)。
完成した図案の発表の場が、自治会長さんたちの集まる実行委員会議。畏れ多さと緊張で不安だったけど、自治会長さんもおばちゃまたちも、すごく褒めてくれた。笑顔で拍手をしてくれた。これほど心から嬉しかった瞬間は、そうない。


2個目。
これまた地域のお祭りで、ブースを出した時につくった地図。

ブースは3箇所あり、それぞれの場所でカステラの食べ比べをしながら歩き回る「ききカステラ」というイベントをしました。

そのイベントを円滑にするために地図が必要、ということでまち歩きと情報収集をおこない、作成しました。
会場の場所や、協賛のカステラ屋さんの情報、地域にまつわる小ネタなど詰め込んだ地図です。
計画性の無さから前日の完成というギリギリっぷりでなんとか間に合い、無事イベントは盛況のうちに終了したのでした。

実は地図の製作は3回目で、回を重ねるごとに改良していけるので地図は更新していくに限ります。今回はカステラがテーマだったので、カステラにまつわる情報をたくさん入れられたのは面白かった。今度は美術館マップとかカフェマップとかつくりたいなぁ。


もう一つ、居留地まつりでできたもの。わたしの愛猫(ほぼ野良)のジジコグッズ新作、マグカップとお皿。

紙製ではない正真正銘の陶器にジジコを写し取ってもらいました。嬉しい。
今回わたしがしたのはデザインのみで、作ってくれたのは別の方です。そりゃあすごい手間暇かけてくださったものなので、ハンドメイドの温もり感が違います。何と言っても手描き。わざわざテンプレートまで作ってくれたそうです。ありがたや。
そしてこの期間中、追われまくって精神錯乱状態だった時に癒してくれたジジコとチビコにも感謝ですね。


4個目。
かなり産みの苦しみを味わった、ポスターのデザインです。
開国後、海外に開かれた5つの港町が一堂に会する「開港5都市まちづくり会議」。今年の会場は長崎市です。
夏祭りのポロシャツを見た市役所の方から、地域を表したようなデザインをお願いしたいと依頼がありました。

とはいえ、この会議のことも他の都市のこともほとんど知らなかったので、とにかく調べました。
函館は行ったことがあったのでなんとなくイメージはあったものの、港町としての視点で見ると改めて気付くことも多かったです。たとえば函館には一階は長屋風、二階は洋風の「上下和洋折衷住宅」というものがあるのですが、これは開港当時の大工さんたちが身に付けた洋風建築技術のなせる技なのです。函館も長崎や横浜同様居留地が作られますが、敷地が狭く、商業の場としても不適でした。結局横浜や神戸へと活動拠点を移した外国人に提供できなくなった洋風建築技術を、大工さんたちは外国との不利な取引に悩む商人の店舗や住宅へ活かします。馴染んだ和風の生活様式をそのままに、洋風を取り入れることで諸外国と対等になろうとしたのです。

長くなりました。
そんな感じでほかの都市も知らないことがわんさか出てくる。でも知れば知るほど面白い。
それぞれの都市を尊重しつつ、港らしさと長崎らしさが出るようなデザインにするため、随分悩みました。

最終的に完成した図案は切り絵で作ったものです。締め切り間際だったのですぐにできるには切り絵しかない!とかなり消極的な理由でしたが、出来あがってみると色味も立体感も思い通りで、やってみるもんだなと思いました。

このデザインに込めた意味は4つあります。
①周りを囲む信号旗は時計回りに「KAIKOU5TOSHI」と書いている。
②浮き輪の4つの青色が長崎以外の4都市を表している。
③それらの都市が真ん中の会場である長崎へ入港しているイメージ。
④上のカモメは次の新潟大会へ繋ぐ意味を持っている(2007年新潟大会のポスターにいるカモメのオマージュ)。

わたしはデザインを専攻していたわけでもなく、趣味で絵を描く程度だったわけですけど、夏祭りで地域の人たちが着る服をデザインし、それがまちづくりについて考える会議のポスターまで発展したのです。
今回デザインしたもののキーワードは全て「地域」であり「まち」でした。
堅苦しい「まちづくり」について考えるのは苦手ですが、結果としてまちづくりにつながるようなキッカケをポスターにしかり地図にしかり、つくれたのではないかなぁと思います。

忙殺されそうな毎日で心身ともに疲れきっていましたが、掲示板や市役所などに掲示されているポスターを見るたびに、心の中で歓喜しています。
もちろんわたし一人の力ではとてもできなかったものですし、縁の大切さに何度も気付かされました。
協力していただいた方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
11月の本番が楽しみです。


つづく。

新年度、無職

日々のこと、暮らしの中のもの

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