神の島ショートトリップ
近所のバス停から出ている神の島行きのバス。教会とマリア様の像があることは知っていたので、名前通り「神の島」だなぁと思ってはいたが行ったことはなかった。
梅雨の晴れ間、仕事は休み。
この機会を逃すわけにはいかん!と思い立ってバスに乗り込むことにした。
その前にしばらく放置気味だったフィルムカメラを持って近所の写真屋さんへ。
フィルムを購入すると、店のおじちゃんが興奮気味に話しかけてきた。
近頃のデジカメによる写真の味気なさや、古写真の価値についてや、介護の話まで、数十分の間にいろいろ話を聞いた。カメラのいいところは「ファインダーをのぞきこむことだ」と話したおじちゃん。
おかげで今日はいつもより丁寧に写真を撮れたような気がする。スマホでは一切撮らなかったので今日は文字だけでご勘弁!
バスに揺られること45分、終点の神の島教会下に到着した。
磯の香りと保育園の園児の声。
小高い丘の上には白いマリア像が見えた。
そこへ向かって階段をのぼると、展望台のようになっていて海を一望できた。左手に女神大橋が見える。マリア様は長崎港を見守っているようであった。
神の島は港町だが整備されていて、新しい家も多く綺麗な印象だ。広い公園はあるが食堂や商店などは見当たらなかった(たまたま見つけられなかっただけかも)。
とにかく猫とはよく出会った。10メートル間隔で遭遇したと思う。そしてみんな大体警戒心がない。
たまに立ち止まったりしながらぷらぷら歩いていると、ちょうど客船が女神大橋を抜けたところであった。
普段見ている客船は距離が近すぎて、非日常的な大きさが当たり前になっていたけど、神の島から見る客船は全体像がよく見えて「おお、あれが客船か!!」と感動してしまった。
ちなみに非日常的な大きさというのがどんなもんかと言うと、家から客船が見えるのだが、窓の横幅に収まりきれないくらいの大きさである。
そんな客船を横目に歩いていると自転車に乗ったおばあちゃんが、公園で一人で遊んでいた男の子に「はよ帰らんば〜」と言いながら走り去っていった。
その公園を横切ると男の子もちょうど公園から出てきたのでしばらく一緒に歩く感じになった。
家の方向がわたしの進行方向らしく、しばらく歩いていても付かず離れずだった。傍目から見たら不審者と怪しまれるのでは…と不安になっていたが、軒先から出てきたおばあちゃんが男の子を呼んだので安心した。
「大きか船の出よるよ」と、男の子の手を引いて道路の向こうの塀に歩いていくおばあちゃん。よじのぼる孫。帰っていく客船。
その光景をファインダーからのぞく。
写真屋のおじちゃんは、のぞいた瞬間に心に焼きつくのだと話していたけど、ああこれが、その瞬間だなぁと感じた。
神の島ショートトリップ。
とてもいい気分転換になった。
写真は現像するまでのお楽しみ。
つづく。
0コメント